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心房細動と
血栓の関係
心房細動が起こると心房の中で血液がよどみ、
「血液の固まり(血栓)」ができやすくなります。
これが血流に乗って体のあちこちに運ばれて血管を詰まらせ、
「塞栓症」を起こします。
心房細動が起こると、心臓が規則正しく収縮できなくなるため、血液を全身に送り出す力が弱くなります。すると、心房内の血液がよどんで、「血液の固まり(血栓)」ができやすくなります。
「血栓」は心房内で心臓の壁にくっついた状態で大きくなっていきますが、何かの拍子にその一部がちぎれ、血流に乗って脳や全身の臓器や組織に運ばれていき(「血栓が飛ぶ」とも言います)、その先の血管を詰まらせます。これを「塞栓症」と呼びます。
心房細動の症状がない、またはほとんど感じない人であっても、「血栓」ができ、それが全身に飛ぶ可能性はありますから、症状の有無や程度にかかわらず、「塞栓症」になるリスクは常にあると考えましょう。
心房細動と塞栓症の関係
心房細動による「塞栓症」で
一番怖いのは、「脳梗塞」です。
心房細動でできる血栓は比較的「大きい」ため、その血栓が飛んだ時に詰まる血管は「太く、広い範囲」で梗塞を起こします。
特に「脳」の太い血管が詰まる(脳梗塞)と、脳の広い範囲に影響が及ぶため、突然重い症状があらわれ、「死亡」する危険性も高く、運良く生き延びることができたとしても「重い後遺症」に悩まされることが少なくありません。
心房細動による
「脳梗塞の起こしやすさ」を
推測する指標「CHADS2スコア」
これらの項目に一つ以上あてはまる場合は、定期的な診察や、血栓を作らないようにする治療が必要になる可能性があるため、主治医の先生と相談してください。
【心房細動による
脳梗塞に注意が必要な方】
- 心不全の方
- 高血圧の方
- 高齢者(75歳以上)の方
- 糖尿病の方
- 脳梗塞になったことがある方
不整脈薬物治療ガイドライン2020年改訂版 -日本循環器学会より