心房細動という病名を聞いて、「非常に不安に思った」人や「脳梗塞になるとは思わなかった」という人、「しっかり治療しよう」と前向きに考えた人など、感じ方はそれぞれですね。心臓の病気でなぜ脳梗塞になるのか、不思議に思った人もいらっしゃったかもしれません。
心房細動は心房が痙攣したようになり、血液をうまく心臓から全身に送れなくなる病気です。そのため、拡張・収縮する力が低下した心臓の中で血液がよどみ、血の固まり(血栓)ができて血流に乗って運ばれ、体のあちこちで血管を詰まらせる(多くの医師は「血栓が飛ぶ」と表現します)ことが問題となります。
特に脳の血管を詰まらせて、「脳梗塞」を起こした場合は生死にかかわることがありますし、死亡しないまでも、「言語障害」や「運動麻痺」などの重い「後遺症」が残り、患者さんや患者さんご家族のその後の生活を大きく変えてしまいます。
そのため心房細動では他の不整脈と異なり、血栓を作らない治療をずっと続けていく必要があります。